操作マニュアル
FlaskConnect で最初の 1 枚(実験装置図+構造式)を描くまでを、実際の画面で順番に説明します。読みながらそのまま手を動かせば 10 分で一通り使えるようになります。
1. 画面の見かた
画面は大きく 3 つの領域でできています。左=パレット(置ける器具の一覧)、中央=キャンバス(作図する場所)、右=プロパティ(選んだものの設定)。上部のツールバーには保存・元に戻す・整列・書き出しなどのボタンが並びます。
操作に迷ったら、画面下のステータスバーを見てください。いま何をすればよいかのヒントが常に表示されます。
2. 装置図を描く(置く→つなぐ→整える)
2-1. 器具を置く
左のパレットから器具をクリックするだけでキャンバスに置けます。置いた器具はドラッグで自由に動かせます。パレット上部の検索欄で器具名の絞り込みもできます。
2-2. 器具をつなぐ
器具の青い○(接続点)をクリックすると、そこにつなげる器具の候補が画面上部に表示されます。候補をクリックすると、正しい位置に自動で接続されます——配管の位置合わせは不要です。
セプタムや温度計などの差し込み型の器具は、ドラッグして口の近くへ運ぶと緑のプレビューが出て、離すとそのまま差し込めます(直結)。位置をずらした直結器具は、接続(点線)を選択して点線をダブルクリックすると既定位置に戻せます。
2-3. 形・液量・色を整える
器具をクリックして選ぶと、右のプロパティに寸法・液量・液の色・口の数などの設定が表示されます。数値を変えるとその場でキャンバスに反映されます。
位置・向きの微調整はキーボードが速いです:矢印キーで移動(Shift 併用で大きく移動)、[ / ] で回転、H / V で反転。
3. 構造式を描く
左上の「構造式」タブに切り替えると、同じキャンバスに化学構造式を描けます。「描く」モードでは、クリックやドラッグで結合が伸び、炭素骨格をそのまま描けます。元素(C・N・O…、周期表からも選べます)や原子団(Me など)を選んでも操作は同じで、描く流れのままその原子・置換基を付けられます——原子からドラッグすればその元素で結合が伸び、原子をクリックすれば書き換わり、空白をクリックすればその原子から新しく描き始められます。
既知の化合物は、描くより呼び出すのが早道です。「+ 名前 / CAS / SMILES…」ボタンに化合物名・CAS 番号・SMILES のどれかを入れてください。
ベンゼン(名称)。CAS 番号(71-43-2)や SMILES(c1ccccc1)でも同じ構造を呼び出せます。スタイルは ACS 標準準拠です。- 環・結合・原子の編集:サイドバーの環テンプレートや結合ツールで、置いた構造をそのまま編集できます。結合をクリックすると単結合→二重結合→三重結合と切り替わります。
- PubChem 連携:化合物を選んで名称・物性の取得ができます(インターネット接続時)。
- 装置図との共存:構造式・反応式と装置図は同じ図面に共存できます。タブは「いま編集する対象」の切り替えです。
4. 文字・矢印を入れる
ツールバーのテキストボタン(A)でラベルや注記を、矢印ツールで反応矢印や指示線を追加できます。テキストは太字・斜体・上付き/下付き(H2O など)に対応し、ダブルクリックでその場で編集できます。器具の中に描かれる文字(温度計の温度・機器名・単位など)も、その文字をダブルクリックすると描かれている場所・大きさのまま直接編集できます。
配管図記号(P&ID 風のシンプルな図)
ツールバーの配管図記号ボタンを押すと、図全体を実物の絵から配管図記号(容器・計装円・弁などの記号図)へワンタッチで切り替えられます。ダイアログではラベル(器具名)と凡例の表示も選べます。器具ごとに切り替えたいときは、器具を選択してプロパティの「表記」を使ってください。機器番号(V-1・TI-1 など)は「番号を自動で振る」でまとめて付けられ、凡例は画面に見えている位置のまま書き出しにも載ります。
5. 保存と書き出し
保存(.chemc)
Cmd+S(Windows は Ctrl+S)で保存します。保存が完了するとステータスバーにファイル名と保存先が表示されます。作業中の内容は復元用に自動保存され、次回起動時に続きから再開できます。実際の保存先はメニューの「ヘルプ」→「保存フォルダを開く」で確認できます。
- Windows:PC 内の「ドキュメント > FlaskConnect」フォルダ。iCloud の同期は Apple の端末どうしの機能のため、Mac / iPad との自動同期はありません。図面をやりとりするときは .chemc ファイルを手動でコピーしてください(形式は共通なのでそのまま開けます)。
- Mac / iPad:iCloud Drive > FlaskConnect フォルダ。iCloud により Mac と iPad の間で自動的に同期されます。
書き出し
ツールバー右側のボタンから、図面を次の形式で書き出せます。書き出しはすべて端末内で処理されます。
| 形式 | 用途 | 対応 |
|---|---|---|
| SVG | ベクター形式。拡大しても線がぼやけないので、論文・学位論文の図に最適 | Windows / Mac / iPad |
| PNG | 画像として手軽に貼り付け(背景透過にも対応) | Windows / Mac / iPad |
| PowerPoint (.pptx) | 発表スライドへ。図がスライド上に配置された状態で生成されます | Windows / Mac |
| Word (.docx) | レポート・実験ノートへ | Windows / Mac |
| Excel (.xlsx) | 実験記録・一覧表へ | Windows / Mac |
iPad 版は PowerPoint / Word / Excel の書き出しを搭載していないため、書き出しボタンの形式一覧には表示されません。iPad では SVG または PNG に書き出して書類へ貼り付けてください。
6. ショートカット一覧(Windows / Mac)
| 操作 | Windows | Mac |
|---|---|---|
| 保存 | Ctrl+S | Cmd+S |
| 元に戻す / やり直す | Ctrl+Z / Ctrl+Shift+Z | Cmd+Z / Cmd+Shift+Z |
| コピー / 貼り付け | Ctrl+C / Ctrl+V | Cmd+C / Cmd+V |
| 削除 | Delete | |
| 回転 | [ / ] | |
| 水平反転 / 垂直反転 | H / V | |
| 位置の微調整 | 矢印キー(Shift 併用で大きく移動) | |
| 選択に追加 | Shift+クリック | |
| 複数まとめて選択 | 何もない場所からドラッグ(矩形選択) | |
| 直結器具を既定位置へ戻す | 接続を選択し、点線をダブルクリック | |
| 図中の文字(表示値・器具名・注記)を編集 | 文字をダブルクリック | |
iPad での操作
| 操作 | ジェスチャ |
|---|---|
| スクロール / 拡大縮小 | 2 本指ドラッグ / ピンチ |
| 元に戻す / やり直す | 2 本指タップ / 3 本指タップ |
| 選択・移動 | 1 本指(何もない場所からのドラッグは矩形選択) |
| Apple Pencil | 対応(指と同じ操作に使えます) |
困ったときは
操作の質問・不具合の報告はサポートページからどうぞ。アプリ内の「ヘルプ → フィードバックを送る」からも送れます。